コンタクトレンズ処方箋受領時の眼科検査徹底解説
通販サイトを利用する場合、処方せんが不要であるため、眼科で検査を受けずにコンタクトレンズを購入することができます。
コンタクトレンズは医薬品ではなく「高度管理医療機器」に指定される商品のため、本来は、医師の診察を受ける必要はありません(参考:コンタクトレンズ通販サイトで処方せんが不要な理由)。
とは言え、安全にコンタクトレンズを使用するためには定期的に眼科検査を受けることが望ましいでしょう。
今回の記事では、眼科でコンタクトレンズの処方せんをもらうときの眼科検査の内容、時間、料金などの詳細と特に眼科検査が必要なケースについて説明します。
目次
眼科検査の内容
眼科検査で実施する内容を下記に記載します。眼科により、全項目を詳細に検査する場合と眼圧検査など一部項目を省く場合があります。
また、「5.顕微鏡検査」以外の項目は医師ではなく、看護師や検査技師が行うことが多いです。
1.問診
コンタクトの使用目的、使用経験、目の病気の有無、過去のコンタクトレンズに関するトラブル、希望するコンタクトレンズ等などを質問されます。
特にコンタクトレンズを初めて使う方や初診の方は、上記の質問をきちんと聞かれることが多いです。再診の方の問診は簡単に終わります。
2.眼圧検査
機械から目に空気を吹きかけて、眼球の内圧をチェックする検査です。
近視の方は緑内障にかかるリスクが高いですが、眼圧検査で緑内障やほかの目の病気のチェックをすることができます。
3.目の形状の確認
専用の測定器で目の形状を測定する検査です。
測定器にあごを乗せて、機器の中の絵を見て、少しまばたきを我慢するだけで測定できます。
特に初めてコンタクトレンズを使用する人には目の形状確認は重要です。人間の目の形、大きさは人によって異なりますので、目の形状(角膜曲率)を測定することで自分に合った形のコンタクトレンズを選ぶことができます。
4.視力検査
視力検査表を用いて片目ずつ視力を確認します。
近視は進行する場合が多いので、初めての方でなくても定期的に視力を確認する必要があります。
5.顕微鏡検査
顕微鏡を使って、暗い部屋で目の表面に光をあてて、角膜の傷や濁り、炎症の有無や涙の量の確認をします。
6.コンタクトレンズの装着練習(初めての方のみ)
取り外しの練習やケア方法の説明、装着の期限や一日何時間付けてよいなどの注意事項を習います。
最初は取り外しに苦労するため、時間がかかる場合が多いです。
7.フィッティング確認
購入を希望するコンタクトレンズのサンプルをもらい、その場で装着し、目の中のレンズの動きや目の状態、見え方の確認します。
コンタクトレンズが目に合っていない場合にはその場で交換してもらうことが可能です。
眼科検査にかかる時間
コンタクトレンズが初めての場合は、コンタクトレンズの装着練習があるため、1時間~1時間半くらいかります。
経験者であれば、15分~30分程度で終わります。眼科の混み具合によってさらに時間がかかることがあります。
なお、繁華街などのコンタクトレンズ販売店に併設されている眼科だと、土日は30分~1時間ぐらい待ち時間がかかることがあります。
時間に余裕をもって検査に臨みましょう。
眼科検査の料金
実はコンタクトレンズの処方せん受領時の眼科検査の費用は、眼科により異なるのです。
コンタクトレンズの検査にかかる診療が、全診療数の30%以上である眼科と全診療数の30%未満である眼科で料金が異なります。
コンタクトレンズ検査を多くやっている眼科の方が安いのです。コンタクトレンズ販売店に併設されている眼科のほとんどが30%以上の方(安い方)に該当します。
それぞれ、通常の3割負担の場合の料金(眼科で支払う料金)は下記の通りです。
なお、目薬などの処方薬がある場合や詳細な検査を行った場合は別途費用が追加されます。
- コンタクトレンズ診療が30%以上の眼科の場合 ・・・ 初診で980円、再診で380円
- コンタクトレンズ診療が30%未満の眼科の場合 ・・・ 初診で1,410円、再診で810円
処方せんの有効期間
眼科検査後に貰える処方せんの有効期間は眼科により異なります。
通常、3日~1ヶ月程度が多いのですが、特に法律上の決まりはないので、眼科の判断に任されています。
本来の薬をもらうときの処方せんは有効期間が4日間と法律により決められていますが、コンタクトレンズの処方せんについては法律で定められていません。
実は、コンタクトレンズの場合の「処方せん」は、薬局で薬をもらうときに医者から発行してもらう本来の処方せんではなく、コンタクトレンズ販売店に対して書いた「装着指示書」を指しているのです。
コンタクトレンズの処方せんについては、下記のページで詳細を記載していますので参考にしてください。
処方せん提出時の注意点
眼科とコンタクトレンズ販売店が提携している場合、提携していない他の眼科で発行してもらった処方せんが使えないことがあるので注意が必要です。
同様に眼科によっては、提携店のみで有効な処方せんを発行することもあります。
眼科と販売店が提携し、双方で客を紹介しあうことで眼科と販売店で利益を共有しているため、他の眼科で発行した処方せんを使えないようにしているのです。
特に繁華街の販売店では、提携眼科の処方せんのみ有効とする傾向が高いのでご注意ください。
眼科検査が必要な人ってどんな人?
コンタクトレンズの購入にあたり、特に眼科検査が必要な方を説明します。
それ以外の方でも目に気になることがある場合は眼科を受診しましょう。
初めてコンタクトレンズの購入する方
自分に合ったコンタクトレンズを診断してもらうためにも、初めてコンタクトレンズの購入しようと思っている方は眼科で検査を受けた方が良いです。
本人の目の形によって、違和感なく付けられるコンタクトレンズは異なります
BC(ベースカーブ)やDIA(レンズの直径)などが合わないとコンタクトレンズに異物感があり、目の病気の原因となることもあります。
また、正確に視力検査を行って自分に合った度数のコンタクトレンズを使用しないと、目の疲れやさらなる視力低下を招いてしまう恐れがあります。注意してくださいね。
長期間眼科検査を行っていない方
長時間眼科の検査を行っていない方は知らない間に目の病気が進行している可能性があります。
特に、1日12時間以上コンタクトレンズを使用する方や2週間・1カ月使い捨てタイプのコンタクトレンズを使用する方は、コンタクトレンズの汚れや乾燥が原因で目の病気にかかっていることがあります。
コンタクトレンズはネット通販で買えることから、長いこと眼科にかかっていないという方が多いのではないでしょうか。
健康診断や人間ドックなどで目の検査を行っている方は良いですが、それ以外の方は目の健康状態を確認するために眼科での検診を行いましょう。
まとめ
眼科で処方せんを発行してもらうときの検査について詳細を説明しました。
視力検査以外にも眼圧検査や目の形状確認など様々な検査を実施します。
時間はかかりますが、初診で980円、再診で380円と料金もそこまで高くないので、いつもネット通販でコンタクトレンズを購入する方も最低1年に一回ぐらいは検査を受けた方がよいです。
コンタクトレンズを使う方は、使わない方に比べて様々な目の病気になるリスクが高まっています。
病気の発見が遅れると後遺症が残ってしまう場合もありますので定期的に眼科検査を行って目の健康を守ってくださいね。