コンタクトレンズ通販サイトで処方箋が不要な理由
アイシティやハートアップ、エースコンタクトなどの販売店でコンタクトレンズを購入する場合は処方箋を求められますが、インターネットのコンタクトレンズ通販サイトでは処方箋が不要でコンタクトレンズを購入することができます。
どちらも同じ商品を扱っているのに関わらず、通販サイトでは処方箋がなくてもワンデーアキュビューやアキュビューオアシスなどの国内正規品が手に入ります。なぜなのでしょうか?
今回、通販サイトではなぜ処方箋が不要なのか、またそもそも処方箋とは何なのかについて紹介します。
目次
処方箋とは?医薬品の処方箋とコンタクトレンズの処方箋の違い
そもそも処方箋とは医師が患者に対して病気の治療に必要な「処方箋医薬品」を処方する場合に、薬剤師に対して出す文書のことを指します。薬の種類とその服用量、投与方法などが記載された書類です。薬剤師さんは処方箋を受け取って調剤を行い、医薬品を処方してくれますよね。
一方、コンタクトレンズの場合の「処方箋」は眼科医が眼や視力の状態を行った上で、コンタクトレンズ販売店に対して書いた「装着指示書」を指しています。薬を処方するものではなく、医師が薬剤師に対して出している文書とは全く異なるものなのです。
今まで眼科で貰っていたものは、便宜上「処方箋」と呼んでいるだけであり、実際は処方箋ではなく、「装着指示書」なのです。
<コンタクトレンズ装着指示書(処方箋)の見本>
通販サイトで処方箋がいらない理由
さて、インターネットのコンタクトレンズ通販サイトで処方箋(装着指示書)がいらない理由ですが、コンタクトレンズは「医薬品」ではないからです。
上でも処方箋は「処方箋医薬品」を処方するのに必要と書きましたが、コンタクトレンズは医薬品ではなく「高度管理医療機器」に属するものであるため法律上、購入時に医師の診察や処方箋を出さなければいけない規定はないのです。
なお、これは2005年4月施行の改正薬事法で定められているものであり、国会答弁でも処方箋の交付が義務ではない旨の回答がなされています。処方箋不要でコンタクトレンズを購入することは国から許可が出ているので安心して購入することが出来ます。
薬 ・・・ 医薬品のため、処方箋必要
コンタクトレンズ ・・・ 高度管理医療機器のため、処方箋不要
なぜ販売店では処方箋を求められるか
コンタクトレンズは医薬品ではないため処方箋を出す法的義務はないにも関わらず、多くの販売店や一部の通販サイトで処方箋を求められるのはなぜなのでしょうか。それには3つの理由があります。
販売店の方針で処方箋の提出を求めている
1つ目の理由は、コンタクトレンズを販売するお店の方針で処方箋の提出を求めているためです。
医師の診察を受けて処方箋を出してもらうことによって販売店としても目の状態を確認することができるので目のトラブルを防ぐことができます。
場合によっては、その方により適切な商品や新商品のコンタクトレンズをおすすめすることができるでしょう。
また、今までと違ったコンタクトレンズを販売する場合は必ずレンズを試着してもらって販売するため、返品を防ぐことが出来るという販売店のメリットもあります。
眼科と販売店が提携している
2つ目の理由としては、眼科と販売店が提携してたり、同一会社が運営しており、眼科と販売店で利益を融通しているためです。
こんな経験ありませんか?
- 販売店から併設の眼科の処方箋しか受け付けないといわれた
- 眼科にコンタクトレンズの処方箋だけほしいと言ったら断られた
医療機関がコンタクトレンズを同一診療所内で販売することは薬事法に反するため、ほとんどの眼科が販売店の近くに設置しています。
眼科としてはコンタクトレンズの検査・診察を行っても、時間がかかる割りに保険の報酬料は少なく、儲かりません。このため、近くの販売店と提携し、提携先でコンタクトレンズを購入してもらうことで販売店と利益を共有しているのです。
レンズメーカーが処方箋の提出を求めている
3つ目の理由は、コンタクトレンズの製造メーカーが販売店に対して販売時には処方箋を提出してもらうよう求めているためです。メーカーとしては、自社のコンタクトレンズで消費者がトラブルを起こすことで、自社ブランドのコンタクトレンズの評判を下げてほしくありません。
このため、処方箋の提出を必須とすることで、医師の診察を受診し、目の状態を確認し、コンタクトレンズの使用方法、注意事項などの説明を聞いてもらうことで、自社製品でのトラブルを避けているのです。
販売店側はメーカーから依頼を断るとコンタクトレンズを卸してくれなくなる恐れもあるため、従わざるを得ないのです。販売店に限らず、一部の通販サイトではこの理由により処方箋の提示を求めています。特にワンデーアクエア、プロクリアワンデー、マイデイ、バイオフィニティなどのクーパービジョンのコンタクトレンズはこの傾向が強く、通販サイトにおいても処方箋を求められることが多いです。
まとめ
コンタクトレンズが処方箋不要で買っても問題がない理由についてご説明してきました。
コンタクトレンズが医薬品ではないということを知らなかった方も多いのではないでしょうか。
処方箋に法的義務がないとはいえ、目の健康にはくれぐれも気をつけてくださいね。定期的に眼科の検診を受けることをおすすめします。