コンタクトレンズで失明!?本当に怖いアカントアメーバ角膜炎とは
アカントアメーバ角膜炎をご存知ですか?
アカントアメーバ角膜炎はコンタクトレンズ使用者に多く見られる病気で、強い痛みを伴い、最悪失明に至る可能性がある恐ろしい病気です。
では、アカントアメーバ角膜炎にならないようにするためには、どうすれば良いのでしょうか?また、アカントアメーバ角膜炎に罹ってしまったらどうしたら良いのでしょうか?
今回の記事では、アカントアメーバ角膜炎の原因、治療法、予防法など、アカントアメーバ角膜炎の詳細を説明します。
目次
アカントアメーバ角膜炎とは
微生物の一種であるアカントアメーバが目の角膜(黒目部分)に感染して起こる病気です。
通常、アカントアメーバが目に付着しても感染症を起こすことはありませんが、目に傷がついて抵抗力が衰えている状態であれば感染することがあります。
特に2週間使い捨てタイプのコンタクトレンズ使用者の患者が多いのが特徴で、診断が非常に難しく、治療も困難な病気です。
アカントアメーバ角膜炎は強い痛みや視力の低下を伴い、完治まで数カ月かかることが多いため、アカントアメーバ角膜炎に罹らないようにすることが重要です。
アカントアメーバ角膜炎の原因
アカントアメーバ角膜炎の原因であるアカントアメーバは、身近なところに常在している微生物です。水道水にも生息しており、お風呂や洗面台にも生息していることがあります。とても微小な生物のため、人間の目で見ることはできません。
アカントアメーバは健康な目の角膜に触れても、感染症を引き起こすことはありません。しかし、コンタクトレンズのトラブルや外傷で角膜に傷がついているときに、アカントアメーバで汚染されたコンタクトレンズを装着することにより、傷からアカントアメーバが侵入して増殖し、感染症を起こすのです。
特に、手入れが不十分なコンタクトレンズを使用すると、コンタクトレンズに付着した細菌やゴミを餌としてアカントアメーバが増殖するため、アカントアメーバ角膜炎に感染する可能性が高くなります。
アカントアメーバ角膜炎の症状
アカントアメーバ角膜炎の症状としては、黒目の濁り、激しい目の痛み、充血、視力低下があります。また、症状が進行すると失明に至る可能性があります。
アカントアメーバ角膜炎は、初期症状がヘルペスウイルスが角膜に感染して起こる病気である角膜ヘルペスや真菌(カビ)が角膜に感染して起こる病気である角膜真菌症と似ているため、診断が難しい病気と言われています。
特徴として、病状がゆっくり進行すること、感染初期には自覚症状がほとんどなく、病状が進行したときには、角膜の状態があまり悪くないのにも関わらず、強い痛みを感じることが挙げられます。
アカントアメーバ角膜炎の検査方法
角膜で感染症となっている部分をこすり取って、アカントアメーバを検出します。
類似の感染症である角膜ヘルペスや角膜真菌症と症状が似ているため、診断が難しく、検査にも時間がかかります。
地域の眼科では対応できないため、角膜の専門外来がある病院や大学病院などの大きな病院にかかり、検査を行う必要があります。
目の痛みがひどく、アカントアメーバの疑いがある場合は角膜専門病院を受診するようにしてください。
アカントアメーバ角膜炎の治療
アカントアメーバ角膜炎は、アメーバに対する特効薬がありません。
治療としては、消毒薬点眼、抗菌薬の内服、直接アメーバに侵された角膜を削り取るという方法を併用します。
治療は通院ではなく、入院となり、治療期間が1カ月間から数カ月間必要です。治療中も痛みが続くことが多く、完治までの期間が長いです。
早期に診断がついて治療を行えば視力は回復することが多いですが、診断が遅れて病状が進行してしまうと完治が難しく、角膜移植をする以外に視力を回復する方法が無くなる場合もあります。
アカントアメーバ角膜炎にならないために注意すべき点
コンタクトレンズの管理やケアをきちんと行えば、アカントアメーバ角膜炎になることはありません。
コンタクトレンズの使用方法を誤っていないか確認して下さい。
使用期限を守る
第一にコンタクトレンズの装用時間、使用期間を守ることが重要です。
コンタクトレンズには適切な装用時間が指定されています。それを守らずに長時間装用すると、角膜に負担がかかり、角膜に炎症や傷がついてしまいます。
アカントアメーバは角膜の傷口から侵入するため、角膜に傷をつけないようにすることが大切です。
洗浄をきちんと行う
コンタクトレンズが汚れていると、汚れの元である細菌や埃などを餌にして、アカントアメーバが増殖します。
洗浄剤でコンタクトレンズを洗浄しましょう。アカントアメーバは水道水にも生息しているため、コンタクトレンズを水道水で洗浄するのは危険ですので今すぐに止めてください。
なお、オプティフリーやコンセプトなどのMPS洗浄液では付着してしまったアカントアメーバを完全に消毒することが出来ません。
出来れば、エーオーセプトクリアケア、コンセプトクイックなどの過酸化水素タイプ洗浄液、ケムセプト スーパークイックなどのポピドンヨード系ヨウ素タイプ洗浄液を使いましょう。
レンズケースの洗浄を行う
コンタクトレンズケースには多くの細菌が付着しています。また、コンタクトレンズを保存する時に、保存液を入れると思いますが、この保存液を交換せずにそのまま使用し続けると細菌が繁殖します。
アカントアメーバの増殖を防ぐためにも、保存液は定期的に交換し、レンズケースを水道水で洗って、乾かすようにしましょう。
ケア用品を購入するタイミングで、レンズケースを新しいものに交換することも大切です。
洗浄を出来ない人は1日使い捨てタイプを使う
2週間使い捨てタイプのコンタクトレンズはどうしても洗浄に手間がかかり、怠ってしまうことが多くなります。
アカントアメーバ角膜炎に罹る人の多くが2週間使い捨てタイプのコンタクトレンズの使用者です。
洗浄がきちんとできない人は1日使い捨てタイプのコンタクトレンズを使用して下さい。
なお、1日使い捨てタイプのコンタクトレンズはアットスタイルやレンズモードなどの通販サイトを利用すると眼科やコンタクトレンズ専門店の3割~5割引きの価格で買えますのでお買い得です。
1日使い捨てタイプの代表的なレンズであるワンデーアキュビュートゥルーアイの詳細や価格・口コミ情報も是非ご参考にしてください。
まとめ
アカントアメーバ角膜炎は、コンタクトレンズの使用方法を正しく守り、眼科での定期検診をしていれば、まず感染することはない病気です。
しかし、コンタクトレンズの使用方法を守らず、ケアも正しくできていないと、アカントアメーバ角膜炎になり失明してしまうこともあります。
コンタクトレンズは非常に便利な道具ですが、誤った使用方法が近年問題視されているので、使用方法を正しく守り、定期的な検診を忘れないようにして下さい。