目の充血。原因と対策は?目の充血に目薬は危険!?
目が充血したことがない人はいないと言っても過言でもないくらい、目の充血はありふれた症状の1つです。
しかし、充血するにはさまざまな原因があり、充血の中には放っておくと大きなトラブルに発展してしまう場合もあります。
今回は『目の充血とはそもそもどんな状態を指すのか』『目の充血の原因と対策』『目の充血に目薬が危険な理由』について説明します。
目次
目の充血とは?どのような状態?
充血とは、なんらかの原因で白目の表面の血管が膨らんだ状態のことです。
白目には多数の毛細血管があるのですが、血管が細いため普段は目立ちません。
しかし、周りが白いため、血管が膨らむと赤く目立つようになり、見た目にも『充血している』ことがわかりやすい状態になります。
目の充血の原因と対策
目が充血するには、いくつかの原因があります。それぞれ原因の詳細と対策を説明します。
- 目の疲れ
- 目の炎症
- コンタクトレンズの過剰使用
目の疲れが原因の場合
充血が起こる原因の1つは、目を使い過ぎることによって起こる目の疲れ・眼精疲労です。
近年パソコンやスマホの普及で、目は働き詰めになっていることが多いにもかかわらず、しっかりと休息やケアをされていないことが多いです。
目を酷使した状態が続くと、目に不足し始めた酸素や栄養成分を補うために、血液を多く送り込もうとして、白目の血管の血流が増して、血管が拡張してきます。
こういった疲れ目を原因とする目の充血であれば、疲れ目用の目薬を点眼したり、十分に睡眠をとるなどして、目を休めてあげることが重要です。
疲れ目の原因と対策については下記の記事に詳細を記載していますので、是非ご確認下さい。
目の炎症が原因の場合
目の炎症が原因となって充血を起こしている場合、原因は結膜炎であることが多いです。
結膜炎とは、白目を覆っている透明な膜(結膜)が炎症を起こす病気で、目の病気として比較的多く見られます。
結膜炎の原因となる細菌やウイルス、アレルギー物質の影響で、目の血管や神経が刺激されることにより、白目の血管が拡張して充血が起こります。
結膜炎にはいくつかの種類があり、それぞれのタイプによって症状や治療方法も異なります。
結膜炎の代表的なものとしては、『ウイルス性結膜炎』『細菌性結膜炎』『アレルギー性結膜炎』の3つが挙げられます。
ウイルス性結膜炎
ウイルス性結膜炎は、ウイルスが感染することによって起こる結膜炎で、流行性角結膜炎(はやり目)や咽頭結膜炎(プール熱)などがあります。
結膜だけでなく目全体の充血、大量の目やに、まぶたの腫れ、目の痛みや異物感、大量の涙といった症状がでます。
ウイルス性結膜炎の場合、周囲の人に感染する恐れがあるので注意が必要です。
また、目だけではなく、喉の痛みや発熱、リンパ節の腫脹も認められることがあります。
ウイルスによる結膜炎の場合、完治するまで1~2週間かかることが多いです。ウイルスに有効な目薬がないため、自分の免疫力ができるまで待つしかありませんが、目の痛みや異物感といった症状をおさえるために目薬を用います。
細菌性結膜炎
細菌性結膜炎は、細菌が感染することにより起こる結膜炎で、症状は粘性のある目やにが多く出て、白目が充血します。
細菌性結膜炎に効果がある抗生物質の点眼薬をきちんと使用して治療すれば数日で治ります。
感染する可能性は低いですが、抵抗力の低い乳幼児や高齢者には感染することもあります。
アレルギー性結膜炎
アレルギー性結膜炎は、ダニやカビ、動物の毛やフケ、花粉といったアレルギーを起こす原因物質の影響により、免疫機能が過剰反応して起こる結膜炎です。
花粉症の人は、目がかゆくなったり、充血することが多いのですが、これはアレルギー性結膜炎に該当します。
アレルギー性結膜炎の症状としては、目の充血、目のかゆみ、涙目といったことが挙げられます。
アレルギーを抑える目薬を点眼することでアレルギー性結膜炎の症状を軽くすることができます。
コンタクトレンズの過剰使用による酸素不足が原因の場合
コンタクトレンズの過剰使用は、目の充血の原因となります。
特に酸素透過性のあまり高くないコンタクトレンズを長時間装用すると、角膜が酸素不足になり、白目から栄養を送り届けようと血管が侵入してきます。
そのため、血量が増加して、目が充血するのです。この状態が長く続くと、角膜内皮細胞と呼ばれる角膜(目の黒目部分)の細胞の数が減ってしまい、最悪の場合、角膜が白く濁って視力が低下する恐れもあります。
コンタクトレンズの装用時間を短くする、もしくは酸素透過性の良いコンタクトレンズを使用することで、目の酸欠を防ぐことができます。
酸素透過率の良い1日使い捨てタイプのコンタクトレンズとしては「ワンデーアキュビュートゥルーアイ(酸素透過率:118Dk/L)」「マイデイ(酸素透過率:100Dk/L)」「デイリーズ トータルワン(酸素透過率:156Dk/L)」がおすすめです。
これらは、酸素透過性が非常に高く乾燥にも強いシリコーンハイドロゲル素材を使用しているため、目に優しいコンタクトレンズなのです。それぞれのコンタクトレンズの詳細や価格・口コミは下記の記事を参考にしてください。
・ワンデーアキュビュートゥルーアイ
・マイデイ
・デイリーズ トータルワン
目の充血に目薬は危険!?
充血には目薬を使用したり、目を休ませてあげるなどして改善することができますが、目薬を使用する場合、気を付けるべき点があります。
疲れ目や充血をとる市販の目薬として、いつの間にか血管収縮剤入りの目薬を使っていることがあるのです。
サンテFXやサンテPC、ロートZi、ロートアルガード、ロートV、スマイル40などが該当し、目薬の有効成分として「塩酸ナファゾリン」「塩酸テトラヒドロゾジン」「塩酸フェニレフリン」のいずれかが入っているのが血管収縮剤入り目薬です。
血管収縮剤入りの目薬は、一時的に血管を収縮させて目立たなくさせる作用があり、目の充血時には一見効果があるように見えます。
しかし、血管収縮剤入りの目薬を常用することでその効果が弱まって、かえって充血が取れなくなったり、充血がひどくなることもあります。
特に、コンタクトレンズを使われている方であれば、無理やり血管を収縮させるとことで眼球への酸素が不足し、トラブルの原因になることもあります。
また、恐ろしいことに血管収縮剤入りの目薬を多用すると血管収縮効果のリバウンドで血管が拡張しきってしまい、常時充血した状態となることもあるのです。こうなってしまっては眼科でもお手上げです。
血管収縮剤入りの目薬は速攻性があり、一時的に充血をとる効果があるため、面接や打ち合わせ・写真を撮る場合などで充血を目立たなくしたい場合にピンポイントで使うのがおすすめです。
まとめ
目の充血には、さまざまな原因があることを説明しました。充血は目のSOSのサインと考えて良いと思います。
目の疲れ、目の炎症、コンタクトレンズによる酸素不足、どの原因に対しても治療や対策が必要です。
目に充血が続くようであれば、自己判断せずに眼科を受診して、しっかり治療をうけることが重要です。
くれぐれも市販の目薬だけで対策しようとしないでくださいね。